ちょっと細かい話をします!
①無効の行政行為について、これを争う訴訟は無効確認訴訟だけというわけではなく、当事者訴訟や争点訴訟民事訴訟で行政処分の無効を主張することもできる。
そしてもうひとつ、②「処分が無効であることを前提とする現在の法律関係に関する訴えによって目的を達することができないものに限り」無効確認訴訟を提起することもできる。
この2つが頭の中でごちゃごちゃになっていて、いつも間違えてしまいます。②を、現在の法律関係に関する訴えによって目的を達することができる場合にも提起できる、と答えてしまうんですね~。
いったいどう整理すればいいんでしょう?
「無効な行政処分」とはそもそも…
まずは①について。
①無効の行政行為について、これを争う訴訟は無効確認訴訟だけというわけではなく、当事者訴訟や争点訴訟民事訴訟で行政処分の無効を主張することもできる。
「無効な行政処分」=行政行為に重大かつ明白な瑕疵があり無効ということは、公定力(取り消されるまで有効として扱う力)がないということ。
なのでわざわざ取消訴訟で取り消してもらわなくても、国民は最初からこの処分を無視してよい。
ということで、無効な行政処分については、以下の複数のルートで争うことが認められています。
- 無効等確認の訴え(行政事件訴訟法3条4項)
- 実質的当事者訴訟(公法上の地位の確認など)
- 争点訴訟(民事訴訟)(私法上の権利関係の前提として無効を主張する)
最初から無効である以上、「取消訴訟」の枠組みに縛られる必要はなく、これらの中で「あの処分は無効だ!」と主張することは完全に自由だということですね。
「現在の法律関係に関する訴え」とは?
「処分が無効であることを前提とする現在の法律関係に関する訴え」…うーん、意味が分からない!日本語なのに分からない!
これは「今、目の前にある具体的な権利や地位を取り戻すための裁判」と読み替えていきましょう。
具体例としてはこんな感じ。
- 公務員の免職処分が無効な場合:
- やりたいこと:公務員の身分(給料など)を取り戻したい。
- 解決策:「公務員の地位確認訴訟(当事者訴訟)」を直接起こす。
- 結論:これで目的が達せるので、わざわざ「免職処分の無効確認」だけを求める訴訟は起こせない(却下される)。
- 土地の収用裁決が無効な場合:
- やりたいこと:自分の土地であることを認めさせたい。
- 解決策:現在の土地所有者(起業者など)を相手に「所有権確認訴訟(民事訴訟)」を起こす。
- 結論:これで土地が返ってくるなら、そちらを優先すべき。
②をもう一度読み直してみましょう。
②「処分が無効であることを前提とする現在の法律関係に関する訴えによって目的を達することができないものに限り」無効確認訴訟を提起することもできる。
なるほど…これはつまり「公務員の身分を取り戻したいなら、当事者訴訟を起こせばいいやん。免職処分の無効確認訴訟を起こす意味ないやん」ということ…!
①と②をまとめると…
『重大明白な瑕疵があって最初から無効なんだから、わざわざ取消訴訟を起こす必要はないですよ。無効を主張したいなら、無効等確認訴訟、実質的当事者訴訟、争点訴訟の中で主張できますよ。
ただ、今具体的に取り戻したい権利や地位があって裁判を起こそうとしてるなら、無効等確認訴訟では意味がないので、当事者訴訟なり民事訴訟なりを起こすのが当たり前ですよ』
ということなんですね~!最初からこう書いておいてくれたらいいのにね!
「補充性」というのは、「現在の法律関係に関する訴え」という直接ルートがないとき用のバックアップですよ~ということですね。予備です。控えです。
「あの処分が無効であることを確認してほしい」というだけの裁判になります。

